book-review

同人誌即売会を社史的に描く - コミティア魂 (ばるぼら+あらゐけいいち)

読前 私はコミティアについて、オリジナルの作品だけを扱った同人即売会ということまでの前提知識しかない。 しかし、元々同人の歴史には興味があったので、これ幸いと新刊コーナーにて目に留まった本書を手に取った。 コミティア魂 | 動く出版社 フィルムア…

暴力の構造・その被害からの回復 - ジュディス・L・ハーマン「真実と修復」

読前 真実と修復 | 暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策 | みすず書房 本書は、トラウマ問題関連の研究で非常に有名らしい「心的外傷と回復」という著書の著者の最新刊の書籍だ。 私はここ最近犯罪被害者、ひいては暴力に関する論考への関心が高まっ…

BGM産業の歴史と著作権 - 田中 雄二: エレベーター・ミュージック・イン・ジャパン

読前 日本のBGMというと、最近は吉村弘の再発見でとにかく話題だ。 Hiroshi Yoshimura’s Environmental Music Is Enchanting a New Generation - The New York Times かくいう私も彼の音楽の愛聴していて、それから他に元P-MODELの平沢進がBGM企業で働いてい…

公立図書館の蔵書管理から表現の自由を逆説する - 図書館と表現の自由:松井茂記(憲法学者)

読前 日本の、いや世界の公立図書館は様々な表現の賜物である本・雑誌という媒体を、蔵書という形で公共物として管理している。 そこで問題になるのが、その公共性から図書館の蔵書が物議を醸す或いは違法な表現の自由に挑戦するようなグレーゾーンの表現が…

仏図書館長から見たWebやデジタルと本の関係 - Googleとの闘い ジャン - ノエル・ジャンヌネー

邦題への疑問 本書の前書きとして何か私の感想を書くとするならば、それは当然、本書のタイトルと内容の大きな乖離についてである。 まず、本書のこのタイトルを見ると、誰もがGoogleの検閲や情報の取捨選択に関して反対する活動家による告発本か何かだと思…

言葉の死を見つめる俳句 - 夏井いつき「絶滅寸前季語辞典」

社会で死にゆく季語を専門に取り上げた、俳人のための「絶滅寸前」の、いわば季語を生物で言うレッドリストのような

西欧と異なる性慣習を浮き彫りにする - ジェンダーレスの日本史:大塚 ひかり

読前 私は以前から、江戸時代の春画に象徴される古代中国やキリスト教文化圏とも異なる日本独自の性文化に興味を持っていた。 そのため、そのことを詳しく書いてあるだろう本書を見つけて読むことにした。 日本の性観念の独自性は古代から 本書で詳解される…