#衝撃を受けたアルバム9枚 [YMO, imoutoid, Tim Follin, 大野木宣幸]

#衝撃を受けたアルバム9枚

「#衝撃を受けたアルバム9枚」というTwitter上の企画を目にしたのでやってみた。

私が「衝撃的」として選んだ9枚のアルバム

選んだアルバムの解説

このセクションでは、「衝撃的」として選んだアルバムの解説を行う。

1位 Technodelic (1981) by YMO

左下にある赤い素地に笑う女性がデザインされているジャケットのアルバム。Yellow Magic Orhcestraの「Technodelic」(1981年)。

こういう企画ではベタかもしれないが、私はやはり一番衝撃を受けたアルバムとして、本作を迷わずに選んだ。

私は中学生の時に出会ってから、一番に愛する音楽家であるHoagy Carmichaelの作品に並ぶほどに、飽きることなく楽しみつづけたをこのアルバムは、 歴史的にも、コンピューターによるサンプリングを最初期に行った、日本の音楽が最初で最後の「世界最先端」を走った記念碑的作品だと私は思っている。

2位 ADEPRESSIVE CANNOT GOTO THECEREMONY (2007) by imoutoid

2007年にTomadが主宰するインターネット・レーベル、Maltine Recordsでリリースされた本作は、imoutoid(1991~2009)の生前唯一のアルバム(恐らくEP扱い)だ。

特に本アルバムの「PART2」で表出する彼の特徴的なカッティングとサンプリングの技法は、その曲を初めて聴く者全てに度肝を抜かせることができるだろう。

これはある人がYoutubeの公式チャンネル(遺族が運営している)の動画のコメント欄で言っていたことだが、Lo-fi Hiphopの鼻祖(創始者)がNujabesだとしたら、彼、imoutoidはKawaii Future Bassの鼻祖であると。 そして、その人はコメントをこう続けた。「Lo-fi HiphopがNujabesの音楽を超えられないように、imoutoidのそれもまた同じである」と。

引用したこのコメントの論旨には同意する。大抵のものは創始者の追随だけでは大したものにはならず、そこから新たな分野の創始者となることでしか、元となった分野の創始者を超えることはできないのだ。

3位 Equinox (1993) by Tim Follin

1993年にスーパーファミコン(略称はSFC)の中期に発売された本作の音楽は、David WiseのDonkey Kong Countryを思わせる緻密で現実感溢れる研ぎ澄まされた音作りが特徴だ。

これの作曲者であるTim Follin(1970~)はイギリスの伝説的なゲーム音楽の職業音楽家で、日本でいう古代祐三のようなゲーム機の音楽チップの一世代先を行く、先駆的な音作りを行った。

この作品は実はSFC本体の発売以前から開発されていたようで、このゲームの開発が長期化した結果、多作だった彼は、キャリアの全盛期の1992年のそれまでに、この音楽を創りつづけることができた。

そのためか、彼の音楽の最高傑作といっていい音作りの出来になっていると思う。アンビエント好きは必聴の作品だ。

4位 リブル・ラブル (1985) by 大野木宣幸

大野木宣幸 (1956~2019)による本作の楽曲は、細野晴臣・プロデュースで発表されたNAMCOアーケードゲーム全盛期の楽曲を集めたコンピレーション・アルバムに細野のDJによって騙取されたバージョンが収録されている。

ある時、このメロディの素晴らしさに浸かりすぎて吐き気がこみ上げるほどに酔ったことがあったが、そんなことがあったのは本楽曲だけの特権である。

私は、「フラワー完成ミュージック」の楽曲の旋律が、全ての音楽で一番の旋律だと評価している。

5位 Smile Sessions (1966) by The Beach Boys

これは半世紀ほどの間、未発表の音源だったアルバムだが、私が非常に衝撃を受けたために、この企画では絶対に外すことができないアルバムだ。

何といっても本作のよさは、唯一無二の音の構成の緻密さにある。ブライアン・ウィルソンの天才的な才能とこだわりが生み出した20世紀を代表するアルバムの一つだと思う。

6位 ドット絵PV四曲 (2013, 2016) by ころんば

imoutoidが高周波系の音楽の天才だとしたら、ころんば(1994~2016?)は低周波の音楽の天才だ。
実験音楽の制作も行っていた彼の音楽でも最も人気でポピュラーな本作は、引退と全作品の削除を表明した彼が再Uploadを許可した唯一のアルバムである。

彼の実験的な感性と、多大な影響を受けたゆめにっき的な世界観の歌詞とアニメーション、全てが詰まった各楽曲は日本のボカロ音楽史に残る傑作だ。

あまりの特異性から、「全てあなたの所為です。」というアーティストの楽曲を発端とした、ネットミーム的な模倣と削除の文化が興ったことも、本作を語る上では欠かすことはできないだろう。

このような、ネットの自分勝手さの光と闇を感じられる点もまた、ネットから生まれネットに還った彼の音楽を象徴するだろうと思う。

7位 Fantasma (1998) by Cornelius

90年代のどこか1920年代のような狂騒をよく表したアルバム。日本が一番世界のCDを持っていた時代らしく、豊かでどこかおかしい音楽が全編を通して絶え間なく流れ続ける。

Corneliusの中でも最高傑作の呼び声が高く、私もそのうちの一人である。

8位 Piano Concerto No.2 (1930) by Sergei Rachmaninoff, The Philadelphia Orchestra, Leopold Stokowski

ラフマニノフ本人によるピアノ協奏曲第二番の自作自演。まさにこれはクラオタ垂涎の録音だ。

元々名ピアニストとして亡命先のアメリカで名を馳せていたラフマニノフの素晴らしい演奏と、そもそもの名曲の音楽のよさ、そしてストコフスキーとフィラデルフィア管弦楽団の完璧なバックアップが本作は世界遺産級の録音だろう。

戦前の録音なので音質は悪いが、それを貫くほどのそもそもの音楽としての音のよさ!
これはクラシックに縁遠かった私の音楽の趣味を確実に変えただろう、そういう作品だった。

9位 ももたん♡ふぁんく (2023) by 桃寝ちのい

私がYameii Online的な、最近のガーリッシュなポップスというのに目覚めるきっかけになったアルバム。初めてハマったVtuberの音楽でもある。

間違いなく2020年代前半のベストアルバムの一枚だ。

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